20180411 6時間以降の血栓回収(DAWN trial)

Thrombectomy 6 to 24 Hours after Stroke with a Mismatch between Deficit and Infarct
N Engl J Med. 2018 Jan 4;378(1):11-21.

Abstract>発症6時間以降の血栓回収の有効性は照明されていないため、発症6-24時間で症状と脳梗塞サイズのミスマッチのある患者に対して血栓回収療法の有効性を検討した。90日後の予後は全ての群において大きな有意差を示した(全体でmRS1以下が49%vs13%)。頭蓋内出血や死亡率は変わらなかった。

 Figureの説明>Thrombectomy群とコントロールの結果、全体/ABC各群でも血栓回収が有効であるとわかった(Cは数が少なく有意差なし)。その他の要素(性別/年齢/発症時NIHSS/閉塞部位/脳梗塞の種類)でも全てにおいて血栓回収が有効であった。

Introduction>最後に元気だと確認されてから6時間以上経った症例に対する血栓回収療法の有効性は証明されていない。しかしwake-up strokeなどで時間は過ぎていても脳梗塞が完成していない症例は存在する。今回、6-24時間経っているが症状と画像に解離を認める症例に対して血栓回収を行ったRCTを報告する

 Methods>多施設・前向き・ランダム化試験である。最終目撃から6-24時間のIC/M1近位部閉塞でDWI/CTPで脳梗塞を評価(RAPIDソフト使用)A群は80歳以上でNIHSS10点以上脳梗塞21ml以下、BC群は80歳以下で10点以上31ml以下がB31-51mlCTREVOを使用し、3ヶ月後の神経機能回復を評価。

 Results206人が登録され、平均脳梗塞は7ml、最終目撃から12時間で、背景で違いは無かった。ほぼTREVOのみ使用されたがPTAと他のデバイス使用が3例ずついた。全体では24時間後再開通率(77%vs36%)3ヶ月後mRSと自立度(49%vs13%)で有意差がほぼ全ての群で確認された。頭蓋内出血と死亡率は変わらなかった。

 <川堀の感想>高齢でも梗塞が中程度でも、Mismatchが有る患者においては6時間以上でも血栓回収が有効であるという結論が科学的に証明されたことは大変良いことだと思う。自己の経験でも、のちにあの時再開通を行えたらもっと良くなったのにという症例が存在していて、今後は積極的に検討しようと思った。使用されたソフトRAPIDが今後日本でも必須になるのかが気になるところである(大変高価と聞いている)