20180421 6時間以上の血栓回収(DIFUSE3)

Thrombectomy for Stroke at 6 to 16 Hours with Selection by Perfusion Imaging.
N Engl J Med. 2018 Feb 22;378(8):708-718.

Abstract6時間以上経った脳梗塞患者への血栓回収の有効性は不明である。6-16時間でM1/IC閉塞、脳梗塞が70ml以下で血流障害部位/梗塞が1.8以上の患者に血栓回収のRCTを行った。血栓回収は予後良好(45%vs17%)が有意に多く、6時間以降でも梗塞が完成していない患者への治療の有効性が示された。

Figureの説明>mRS0-2までの予後良好群が圧倒的に血栓回収で多い(50%vs15%)。ただ、それでも半分の患者は予後不良になるのは注意する必要がある。

Introduction6時間以内のIC/M1閉塞への血栓回収は証明されていたが、最近DAWN研究で24時間以内でも梗塞が完成していない患者では血栓回収の有効性が証明された。本研究はDAWNとほぼ同じ内容であるがCT/MRIでレスキュー可能な脳領域がある患者に対して6-16時間で血栓回収の有効性を検証した

 Methods>最終目撃から6-16時間で、IC/M1閉塞、専用ソフトRAPIDを使用して、脳梗塞が70ml以下、血流低下/梗塞が1.8以上、ペナンブラ(Tmax6秒以上)が15ml以上の患者を血栓回収と保存治療に割り付けた。デバイスはステント・吸引のどちらでもOK90日後のmRSと自立度で評価した。

 

 Results>全米38施設で182人の登録が得られ、最後に確認される時間から平均12時間、TICI2b/376%、血栓回収群がOR2.8と有意に予後良好群が多く(45%vs17%)24時間後の完全再開通率(78%vs18%)も高かった。死亡は有意差ないものの少なく、頭蓋内出血は変わらなかった。

 <川堀の感想>DAWNに続いて、6時間以上経過しても血栓回収による恩恵が得られることがわかったことは非常に評価できる。2点注意すべきで、一つ目は、6時間以内の研究のほうが予後良好群の比率が高いので、やはり急いで治療する必要性は変わらないこと、二つ目は頭蓋内出血を来した患者で死亡数が多くなっているので可能な限り出血を防ぎながら完全再開通を目指すこと