20160407 REVASCAT Solitireによる血管内治療の成績

Thrombectomy within 8 hours after symptom onset in ischemic stroke

N Engl J Med 2015; 372: 2296-2306

 

Abstract>発症8時間以内の前方循環閉塞に対してSolitireによる血栓回収の成績(90日後のmRS)を内科治療と比較した。出血性梗塞(1.8%)、死亡率(17%前後)は変わりなかったが、mRS0-2の予後良好群は43%28%と有意に改善した。Exclusionされた症例はわずか8名だった。

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Figureの説明>90日後のmRS0-2は大きな差である。血管内治療で4,5(寝たきり)が少なくなっていることも注目に値する。

 Introduction>過去に報告されている急性期血栓除去の批判の一つに患者登録の連続性のなさ(Exclusionされる患者が多く、血管内に有利な患者が選択された可能性がある)ことが挙げられている。今回スペインカタローニャ地方における前方循環動脈閉塞(M1 or IC)を連続して登録しステント治療と内科治療で検討した。

 Methods2012-14スペイン。患者の選択基準は18-85歳(元のADLmRS1以下)、発症8時間以内、NIHSS0-42, ASPECT8(DWIなら7)以上。治療はSolitireか内科治療を振り分け、結果は90日後のmRS24時間後の梗塞範囲と神経所見改善(NIHSS8以上の改善)とした。

 ResultsmRS0-2が血管内45%対内科28%と有意に改善していた。TICI2b以上は65%であった。24時間後の症状改善は59%20%90日後のNIHSS2.06.0、梗塞サイズ中央値16ml39mlで全てで血管内が有効であった。死亡率・頭蓋内出血・その他の有害事象に違いはなかった。O2P269分、O2R355分であった。

 <川堀の感想>連続症例をinclusionした(外れを少なくする)とのことであったが、実際Criteriaを満たす症例のほとんどは入れることが出来たが、この間に同地区では540人の患者が血栓回収を行っていて今回の検討に入ったのはそのうちの15.6%であったとのこと。つまり実臨床では高齢であったり、もともとmRSが悪かったりする症例でも施行しなければならないことがありTICI3でもこれらの成績は必ずしも良いものとはならないということであり、こういう症例をいかに良くしていくかが課題である。