20180119 造影MRIは破裂動脈瘤と未破裂を分けることが出来る

Does aneurysmal wall enhancement on vessel wall MRI help to distinguish stable from unstable intracranial aneurysms?
Stroke 2014;45:3704-3706

Abstract
造影MRIで脳動脈瘤周辺が増強されることが、不安定な動脈瘤(破裂・症候性・形状変化)と安定な動脈瘤(それ以外)を分けられるのかを検討した。87108個のAnで検討し、87% vs 29%と有意に不安定Anの方が増強効果があり、An壁の炎症を見ていると考えられた。


Figureの説明>
       造影無し  造影有り
安定動脈瘤   A      B
破裂動脈瘤   C      D
破裂でAn周辺が増強されている

Introduction
未破裂動脈瘤は人口の4%に見られるが、破れるまで症状がないことが多く、どの動脈瘤が破裂しやすいかについての知見は少ない。炎症が動脈瘤の形成、拡大、破裂に関与していると考えられているので、それを評価できる造影MRIが有効かもしれない。今回不安定動脈瘤と安定動脈瘤で造影MRIの違いを検討した。

Methods
GE3T-MRIを用いて撮影を行った。不安定Anは破裂、症候性、過去と比較しサイズが増大したものとし、安定Anはそれ以外とした。造影MRIはガドリニウム10mlを使用。造影MRIの読影は2名で造影有り/無しを評価し、一致しない時は3人目が評価した。

Results
87108個のAn(不安定31個、平均6mm、前方循環96個)。不安定Anは安定Anより陽性度が有意に高く(87% vs 29%)、特に破裂では94%、形態変化では100%、症候性では67%で陽性であった。Anサイズ、アスピリン内服、前方循環、タバコ、糖尿病などは多変量では有意でなかった。

<川堀の感想>
破裂瘤の動脈瘤の壁が増強されることはかなり証明されてきていて今後血管内でも有効な治療法となるだろう。もし造影剤を使わなくてもわかるようになれば一気に広まると思われる。