20151001 MR CLEAN 脳梗塞の血管内治療

A Randomized trial of intraarterial treatment for acute ischemic stroke NEJM 2015 372; 11-20

 AbstractMR CLEAN研究。頭蓋内動脈の急性閉塞に対して血管内治療の有効性を検討した。発症6時間以内の脳梗塞患者を血管内血栓回収療法と保存治療に分けた結果、有意に血管内治療群の予後が良く(OR1.7)、自立生活に戻れる率も高かった(32% vs 19%)。死亡率・出血率は変わりなかった。

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Figureの説明>90日後のmRS。自立群が30%50%にアップしている。再開通率の低さや虚血時間の長さを考えるとこの程度と思われるが、それでもかなり良くなっている。

 Introduction>今まで急性期脳梗塞に対する有効な治療法はtPAだけであったが、時間制限など制限がきつい上に、再開通率(30%程度)も悪かった。近年血栓溶解・回収療法の有効性が指摘されているが、使用機材による結果のばらつきが大きい。今回Stent型血栓回収デバイスを中心とした回収術の成績を報告する。

 Methods2010-2014オランダの大規模ランダム化試験。発症6時間以内の前方循環動脈閉塞(M1/2A1/2IC閉塞、NIHSS2点以上)に対して血管内治療群(S群、Stent型デバイス使用率97%)・内科治療群(U群)に振り分けた。発症90日後のmRSで結果を比較した。

 Results>両群のベースラインは同じであった(ICM1閉塞で90%)。S群では発症からPunctureまで平均260分(4時間20分)だった。予後はS群で有意に改善し(OR1.6)、自立できるmRS0-2S:32% vsU19%であった。翌日の再開通率も75%vs33%S群で良かった

 <川堀の感想>平均4時間20分でPunctureで治療に1時間程度かかることを考えると発症から再開通まで5時間前後かかり、かつ多施設での報告ということを考慮しても良い結果が出たことは素晴らしい。しかし来院から再開通までの時間は論文中には出ず、それが現時点で最も重要であると考える。再開通率も思ったより低い。