20150904 脳梗塞超急性期の降圧昇圧は効果が少ない
Effect of blood pressure lowering in early ischemic stroke – Meta-Analysis Stroke 2015; 46: 1883-89
<Abstract> 脳梗塞急性期の降圧療法の効果は依然不明である。RCTのMeta analysisを行った。発症3日以内に降圧療法を行った3か月後の有害事象を検討した。13の論文から12703例の症例がピックアップされたが、RR1.04(0.96-1.13)で有益でも有害でもなかった。
<Introduction> 脳梗塞急性期には2/3の患者が反応性の血圧上昇をきたすが、後に低下することが多い。この上昇を抑えることで浮腫の軽減・出血性変化を抑えることが出来る反面、脳梗塞を拡大する危険性も指摘されている。今回RCTをMeta解析し脳梗塞急性期降圧療法が機能予後・死亡に影響しているか検討した
<Methods>PubmedよりStroke/acute/blood pressure lowering等の単語で検索したRCT1007件のうち、3日以内の降圧開始し、機能予後の記載のある13RCTを選択した。SCAST, CATIS, COSSACSなど12,703例が含まれた
<Results>6つが単独の試験、7つが他の試験のSub解析であった。発症からランダム化は11-58時間で、血圧低下は24時間で0.3~8.1、7日目で-3.5~20mmHgの血圧低下が得られた。死亡もしくは依存度の高い状態のRRは1.04(95%0.9-1.1)と有効性を示せなかった。
<川堀の感想>この結果は、浮腫の軽減と梗塞拡大が相殺された可能性が考えられるが、ラクナも心原性も一緒に論じられているため実際の臨床へのフィードバックは不可能であり、あまり良い研究とは考えられない。当院では日本のガイドラインに則りnormo-high(200以下)で管理することが多い。