20150907 脳梗塞急性期の閉塞部位把握にASLのraw dataが有効

Raw arterial spin labeling data can help identify arterial occlusion in acute ischemic stroke. Stroke 2015; 46: e141-144

 Abstract脳梗塞急性期の血栓把握をMRIASL raw dataで試みた(arterial bright sign; ABS)。梗塞が疑われた90例中、脳梗塞あり57人→51ABS陽性、脳梗塞なし33人→1ABS陽性となった。感度・特異度共にASLABSは血栓把握に有効であった。

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Introduction>脳梗塞急性期の血栓の存在把握はT2*などが用いられるが難しいことも多い、ASLは脳梗塞のペナンブラを見る最新のMRI検査方法であるが、このraw dataで血栓の部位が高信号として確認できることがあるので、その感度・特異度等を後方視的に検討した。

 Methods>フランスの大学。2011-2014に脳梗塞疑いで入院した患者に6時間以内に、MRIGE 1.5T)ASLを撮影し(RT4.5s, エコー10ms, PLD1.5s)arterial bright signal(ABS)の有無を、MRA, T2*(), FLAIR()と比較した。

 Results>脳卒中が疑われた90人の患者のうち、実際に梗塞があった57人では51人にABSが確認でき、脳梗塞がなかった33人では1人で偽陽性を認めた。感度89%、特異度97%、陽性的中率98%、陰性的中率84%であった。特にMRAで閉塞していた場合は同100%35%78%100%と高率であった。

 <川堀の感想>血栓の存在が他のModalityより高いことは良いことだと思うが、それだけでは臨床的価値は低く、血栓の長さの情報が得られるようになれば、血管内治療の際に貴重な情報となると思われた。当院でも検討してみようと思う。