20150920 血栓回収は早ければ早いほど良い(SWIFT&STARサブ解析)
Time to endovascular reperfusion and degree of disability in acute stroke Ann Neurol 2015
<Abstract>脳梗塞急性期血栓回収療法でSolitireを使用したSWIFTとSTAR研究から再開通(TICI2b/3)症例の予後を検討した。発症から再開通までの時間と90日後の予後には有意な相関を認めた(mRS:1.4 (<4時間)<2.4 (4-6時間)<3.3 (6-11時間))。
<Figureの説明> 発症から再開通までの時間で区切った(4時間以内・4-6時間・6時間以降)場合の90日後のmRS。4時間以内なら80%は元の生活に近いところに戻れるが、6時間以降は30%と非常にシビアな結果。
<Introduction>脳梗塞急性期血栓回収療法の有効性が証明され、発症から再開通までの時間(OTR)が重要だと指摘されている。しかし多くの試験は複数のデバイス使用(血栓融解を含む)などの問題があった。今回Solitireのみを使用しORTでmRSがどの程度変わるかを検討した。
<Methods>SWIFTとSTAR研究(発症から8時間以内、NIHSS8-30、中等度以上の神経症状、rtPA不応例、Solitire使用/MCA1/3ルール適応)で前方循環で再開通(TICI2b/3)が得られた症例において、発症から再開通までの時間(OTR)と予後mRSを検討した。
<Results>前方循環の約82%で再開通が得られ、治療前NIHSS17点であった。4時間以内、4-6時間、6時間以降で分けた場合のベースライン(既往症・閉塞部位・ASPECTS等)、来院から治療までの時間がほぼ同じであったが、予後は明らかに短時間でよかった(mRS1.4>2.4>3.3)。100人の患者に対して5分で1人ずつ重度障害になっていくことが分かった。
<川堀の感想>予想された通り、発症から再開通までの時間が重要であり、5分で100人中1人脱落するというのもわかりやすかった。院内システムの構築・アプローチ決定の技術・回収の手技の向上は直接患者の利益になると思われた。ただ大腿動脈の合併症には今まで以上に注意したい。