Pressure cooker technique(静脈からAVMを詰めるテク)
The transvenous pressure cooker technique: A treatment for brain arteriovenous malformations
Guang Zhang, Shiyi Zhu, Pei Wu, Shancai Xu and Huaizhang Shi
Interventional Neuroradiology 0(00) 1–6 The Author(s) 2016
<Abstract>
手術や放射線治療が向かないタイプの出血したAVMの治療は難しい。今回左基底核部に存在したAVM(feederは細く、drainerは直線で1本だけ)に対して経静脈的にONYXで塞栓術を行ったので報告する。
<Figureの説明>
ナイダスぎりぎりまでマイクロカテ(今回は先端を離脱できるSonicを使用)を進め、手前にEchlonをおいて、コイルを巻いてアンカー(Pressure cooker法)とした。コイルでONYXが途中の静脈を詰めたり、肺に流れて肺塞栓を起こさないようにした。
<Introduction>
AVMの治療法で、重要な機能がある場所や深いところは手術が難しく、出血したばかりの時は放射線治療は時間がかかる(2年)ため難しい。このような時に血管内治療が選択されるが、必ずしも動脈側からアプローチ出来るわけではない。今回静脈からアプローチしてうまくいった症例を報告する
<Case report>
6ヶ月前に出血した左基底核部のAVM(feeder: LSA、ナイダス2cm、drainer1本で直線)が再出血したため、経静脈的塞栓を行う方針となった。ICAにバルーン(血流コントロール目的)、左Jugular veinに6Fで、Sonic(ナイダスぎりぎり)、Echelon-10(その手前)でDrainer内にコイル塊を置いた。理由は①ONYXのナイダス側への押し出す足場、②正常静脈へのONYX流入ブロック、③肺塞栓ブロックの3つ。通常のONYXよりは少し速いペースで塞栓して、綺麗にナイダスを詰めることが出来た。
<川堀の感想>
条件を選べばかなり有効なAVM塞栓が可能になるだろう。通常の手術治療が難しいAVMの場合には有効になり得、さらにアデノシンで心拍を落とせばもっと安全に治療が可能になると思われた。