IC Blister Anにsemi-jailコイル塞栓(長期成績)

Forward deployed coil embolization with multiple overlapping stents for ruptured blood blister-like aneurysms: technical considerations and outcomes
Myeong Jin Kim, Yong Cheol Lim, et al. Ajou University School of Medicine, Suwon, Republic of Korea
Neurol Res. 2019 Jun;41(6):562-568.

Abstract
内頸動脈のBlister動脈瘤に対するsemi-jail&複数ステント&コイル挿入の長期成績(40ヶ月)を報告する。コイルを出した状態でゆっくりステントを展開しコイルを壁に圧着した。これを2回以上くりかえした。17人に本治療法を行い、フォローAGを行った15人で完全閉塞が得られていた。

Figureの説明>
治療のシェーマと実際の画像。Blisterの近位部をしっかり詰めることが重要(上eの矢印)と説明している。

 Introduction
外科治療が主流だったICAblister動脈瘤に対しても血管内治療が行われるようになった。しかし通常のコイルでは瘤が小さく不整形な事、壁が脆弱な事など難しい面、フローダイバーターは閉塞まで時間がかかるなどが課題だった。今回じょうご状semi-jailステント&コイルによる治療成績を報告する

Methods
17人を治療。Enterpriseをじょうご状にBlisterの真ん中くらいまで展開し、柔らかいAnサイズ以下のコイルを展開しながらステントを広げてくる。その後Jailされた状態でAn近位部を密に巻く。その後同様の処置をもう一回してコイル&ステントのミルフィーユにする。

Results
17人のくも膜下出血で術中破裂、コイル逸脱、ステント移動等の術中合併症は無く、全例で血流遮断が可能であった。早期に再治療(同様の処置)は3人いた(2W3W12ヶ月)。フォローアップAGを行った15人中14人で閉塞を確認できた。

<川堀の感想>
当科ではBlisterRadial artery graftを行う事が多く、治療成績は悪くないと考えている。ただ、より低侵襲・より安全(Radial arteryであればシルビウス裂解放などの準備が整う前の破裂が起きうる)にという事であれば本治療方法も検討しても良いと思う。近位部にコイルを密に巻く際に破けないか心配だ。