20150924 SAHの急性期治療前再破裂率は10%前後
Predictive factor for rebleeding after aneurysmal subarachnoid hemorrhage. Stroke 2015; 46(8):2100-6
<abstract> SAHの最大の注意点は止血前再破裂であるが、その頻度は不確かである。連続1337例にて72時間以内の再出血率を検討した。Fisher3、4の厚い血腫はOR4.4で再破裂しやすく、CSFドレナージもOR1.9でリスクとなった。24時間以内再破裂率は6%で以後72時間までは1.2%であった。
<Figureの説明>Fisher分類別の再出血のカプランマイヤー。Fisher 3/4(厚いSAH)は0/1(薄いSAH)に比較し再出血率が高い。
<Introduction>SAHの早期再破裂は8-23%の頻度で報告されており60%程度の死亡率と考えられているが、その発症因子・正確な頻度(特に危険な24時間以内)などについては不明。今回オランダのグロニンゲン大学において1998-2014に治療されたSAH1620例で検討した。
<Methods>An評価は2002年まではアンジオで、以降は3DCTAで行った。1620人中1205人で検討(解離やFusiform等を除外)。患者因子・WFNS分類・ドレナージ/手術タイミング・再出血(定義:臨床症状&画像&ドレナージ変化)を検討した。24時間と72時間の出血率を計算した。
<Results>女性67%・平均55歳・WFNS4/5の重症31%・CSFドレナージ21%。平均治療時間は31時間。24時間以内の再出血は5.8%、その後の72時間は1.2%で、再出血の57%が死亡した。再出血因子はFisher分類3/4の厚い血腫(OR4.7)・20mm以上の瘤(OR4.4)であった。
<川堀の感想>概ね実臨床の経験に近いデータであると考える。動脈瘤の部位での違いがなかったのは気になるところで、椎骨系でも解離でなければそれほど再破裂率は変わらないのは意外であった。