脳卒中とは
再生医療について
Journal Club[論文斜め読み]
脳卒中治療お役立ち情報
脳出血は脳内の細い動脈が切れて出血する病気です。高血圧や過度の飲酒、喫煙などが原因となると考えられています。また高齢者では年齢によって血管がもろくなり、ゴミがたまって(アミロイド)、血管が破れて脳出血を起こすことも多いです。出血しやすい場所が決まっていて、場所に応じて手足の麻痺や言葉の麻痺、意識障害など重篤な後遺症を残すことが多いです。
突然の半身麻痺や言語障害、意識障害が典型的な症状です。家族が発見したときには嘔吐し失禁している事も多いです。
▼頭部CT検査脳出血は白くうつります。これで診断できることがほとんどです。
▼脳MRI検査より細かく脳を評価することが出来るので、脳動静脈奇形や脳腫瘍などが診断できます。(出血が少しわかりにくいことがあります)
多くは特に血管の異常がない高血圧性脳内出血がほとんどですが、他の原因のこともあります。治療の基本は「①出血している血を止めること」と、「②脳の重要な場所(脳幹など)への圧迫を介助すること」です。残念ながら今の医学では脳出血で一旦痛んでしまった神経細胞を完全に元に戻すことは出来ていません。
1.点滴などによる治療(保存的治療といいます)
血管の異常がなく出血が小さい場合や非常に重要な場所(脳幹)などにある場合に選択されます。止血剤や血圧を下げる点滴で止血されることが多いです。それでも出血が止まらず拡大する場合には手術治療も選択されます。出血は通常2ヶ月程度で全て吸収されます。(しかし神経細胞は障害を受けているので後遺症を残すことが多いです)
2.開頭手術
出血量が多く、脳の重要な場所を圧迫している場合には選択されます。
メリット:顕微鏡を使って直接的に出血点を止めることが出来るので確実です。デメリット:全身麻酔や皮膚を大きく切るなど侵襲が大きいことがあげられます。
顕微鏡を用いて脳に開けた小さな穴から内部の血液を取り出します。
3.内視鏡手術
近年低侵襲治療として注目されています。小さな穴を開けて胃カメラの様な内視鏡を挿入して止血します。
メリット:皮膚切開の長さや骨の穴が小さくて済みます。デメリット:止血がカメラ越しに行われるので不十分になることもあります。
4.脳室ドレナージ
脳出血が髄液の流れをせき止めると急激に脳圧が上がります。(髄液は脳の中の脳室という場所から湧いてきて、脳内の細い通路を通って脊髄まで回り、脳の表面から吸収されると考えられています。細い通路でせき止められると湧いてきた髄液がその先に流れることが出来ないので脳内にたまってしまい、急激に脳圧が上がり、脳にダメージを与えます)。これを防ぐために一時的に(多くは数日~2週間程度)髄液のたまり(脳室)に管を入れて体外に髄液を排出します。多くは狭くなった部分が時間と共に再開通するので抜去することが出来ますが、流れが悪くなったままの場合はシャント手術が必要になることもあります。
作成中