論文発表のお知らせ(J Neurosurgical Science誌)

重症脳梗塞の患者さんにカテーテルで血栓を取ってくる血栓回収療法が世界中で急速に普及しています。発症してから5分ごとに脳の1%が失われるという「時間との勝負」の治療法ですが、脳血流がどの程度落ちているかを調べるのにはMRIで今まで30分近くの時間がかかっていました。今回新たなMRIの取り方を工夫し、約7分で全ての検査を行いながら十分きれいな画像を撮ることに成功しました。J Neurosurg Sci誌にThe validity of the Acute Stroke Assessment using rapid Pseudo-continuous Arterial Spin Labeling (ASAP-ASL) method for acute thrombectomy(PMID: 30468360)として報告しました。ASAP:as soon as possible(大至急!)という意味をかけてこの方法をASAP-ASL法と名付けています。この方法によってより多くの患者さんが救われるようになるとうれしいです。

脳の血管が詰まっている(B)が、脳梗塞(A)はまだほとんど出ていない。ただ脳血流は大きく障害されている(C)画像。急いで治療すれば間に合う可能性が高い状態です。