20151130 femorral pseudoAnの直し方

Pseudoaneurysm of femoral artery after catheterization: treatment by a mechanical compression device guided by color Doppler ultrasound. Heart 1998; 79: 502-504

 Abstract>血管内治療後の大腿動脈仮性動脈瘤に対する治療法の第一選択はエコーガイド下の圧迫だが大変なので、今回FemoStopという圧迫機械を使用した。14人の患者で20分ずつの圧迫を行ったところ13人で平均1.6回で治癒した。抗凝固薬を飲んでいる人は必要圧迫時間(50分対27分)が長かった。

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Figureの説明>エコーガイド下に動脈瘤を見つけ出し、圧迫が適正であることを確認したのちにFemoStopで圧迫した。足背動脈で大腿動脈が完全に圧迫閉塞してはいないことを確認。

 Introduction>血管内治療を行った時の大腿動脈仮性動脈瘤は重要な合併症で、0.6-6%程度発生する。昔は手術で閉鎖していたが、1991年にエコーガイド下の圧迫治療が報告され現在第一選択となっている。しかしこれは時間・労力がかかるため、今回機械的圧迫デバイスFemoStopの有効性を検討した。

 Methods>スイス。血管内症例で拍動性腫瘤・Bruit・有痛性血腫有で14人(0.5%)に仮性瘤を認めた。非適応は感染・同側下肢の虚血・皮膚のnecrosisを伴う大きな血腫・inguinal靭帯の中枢側。局麻し、エコーで場所を確認したのちに20分ごとの圧迫を行った。血流なければその後通常の圧迫を12時間

 Results14人中13人で治癒が得られた。平均圧迫時間は33分(1.6回)であった。抗凝固薬を飲んでいない患者は11/11人(圧迫27分)でOKだが、飲んでいる患者は2/350分)で、一人は4回の圧迫でもダメで通常のエコー圧迫で治癒した。12時間後の再チェックで再発はなかった。

 <川堀の感想>エコーもFemoStopも共に有効性が高いことが分かった。我々も最近同様の仮性瘤を経験し、外科治療(全麻)を行い治癒したが、もし圧迫のみで改善できるのであれば患者の負担は遥かに小さく、今後はまず検討すべきと考えた。