20150828 M1 stenosisのある血管内治療

Endovascular treatment and outcomes of atherosclerotic intracranial stenosis in patients with hyperacute stroke  Stroke, 2015 76 680-686

 Abstract>急性期血栓回収療法を行った患者において、頭蓋内血管狭窄の有無が予後に影響を与えるか検討した。狭窄が梗塞の原因となった症例は23%存在した。狭窄群の方が、発症時のNIHSSが低く、再開通率(95%82%)と予後良好群(65%40%)が高かった。出血性梗塞・死亡は同程度であった。

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 Introduction>アジア人に多い頭蓋内血管狭窄は脳梗塞発症・再発の主要な原因の一つであるが、急性期脳血栓回収療法(治療)時に、①狭窄の存在が予後等にどのように影響を与えるか、②狭窄症例に対するPTA/Stentを含む治療成績は不明である。本研究はこの問題①②について検討した。

 Methods>韓国の大学。2011-13で急性期血栓回収療法を行った172人(PDミスマッチ・発症6-8時間以内かつNIHSS4点以上)が対象。ソリティア→ペナンブラ→ウロキ&破砕の順で治療。回収後70%以上の動脈狭窄にはgateway(血管径80%)とwingspan(+0.5mm)で拡張。

 Results>狭窄群では優位に再開通率↑(95%82%)、出血↓(23%43%)、予後良好群↑(65%40%)であった。血管狭窄は23%に存在し(MCA48%BA30%IC22%)、4割がPTAで、6割がStent追加した。手技による新たな血管閉塞はなかった。

 <川堀の感想>回収療法時に血管狭窄があるほうが予後がよいのには驚いた。①虚血耐性や②心原性が少ないなどが理由が挙げられていた。当院でも最近同様のケースを経験し(PTA/Stentせず再開通なし)、治療合併症の少なさを考えれば、今後はPTA/Stentをより積極的に検討しようと考えた。